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社長であり監督、2つの顔を持つ男の仕事術とは

2015年9月25日
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独立・起業を果たした会社社長であり、少年野球チームの監督。アクト株式会社代表取締役・雷サンダース監督、宮土欣。社長として会社を起業・経営し、少年野球監督として息子が所属するチームを初の全国大会出場に導いた実績を持つ。そんな2つの顔を持つ男の仕事術に迫った。

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アクト株式会社で代表取締役を務める宮土氏

私はアクト株式会社の代表取締役を務めております。弊社は2014年4月に創業した機械工具商社で、「国内メーカー製品の国内販売」「台湾メーカー製品の国内販売」「国内メーカー製品の台湾販売」の3つの事業を展開しております。台湾との貿易にも携わる機械工具商社といった位置づけです。

私は前職で、日本の減速機メーカーに勤務しておりました。入社以来一貫して国内での営業職に従事していたのですが、あるきっかけで海外事業課に異動となり海外顧客とのビジネスに携わることになりました。国内メーカー製品を海外顧客に販売するという商売です。そこで一番の競合となったのが、台湾メーカーの製品だったのです。

中国製品は安いが品質に問題がある。日本製品は高品質だが価格が高い。それに対し、台湾製品は低価格にもかかわらず高品質でした。価格と品質のバランスに優れた台湾製品を目の当たりにした私は、「この製品を日本に持ち込んだら売れるんじゃないか」「こんな製品を日本メーカーに提案すれば、コストダウンにつながるのではないか」と思いました。これが独立・起業に至る最初のきっかけです。

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アクト株式会社の主力取扱商品の一つ、台湾製エアツール(圧縮空気動工具)

私は、海外事業課に異動する前は東京の営業部門に所属していました。そして異動先の海外事業課は、大阪を拠点にした部門でした。東京で家族と過ごしていた私は、異動に伴い大阪へ単身赴任することになったのです。

東京に残した家族は妻と小学5年生の息子で、私は息子が所属している少年野球チームの監督を務めていました。平日は大阪で仕事、休日は東京に戻って少年野球という状態です。休日の少年野球は、私にとってとても楽しいものでした。また、単身赴任先の大阪で取り組んだ海外事業も非常に面白い仕事でした。

私は何事も「面白くないことはやりたくない」という性分の持ち主です。「少年野球は面白い。海外との仕事も面白い」「家族と暮らすのは面白い。単身赴任は面白くない」そんなことを考えるうちに、大阪に単身赴任していることに疑問を持つようになってきました。そして私は、息子の小学校卒業に合わせて会社を離れ、東京に戻って独立・起業することを決意したのです。

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結婚し家庭を支える立場での独立・起業は一大決心だ

私はまだ独立・起業したばかりですが、その中で最も重要だと感じたことは「人と人とのつながり」です。今の弊社の仕事は、前職の同僚や取引先・営業先の方々とのつながりのおかげで成り立っています。様々なアドバイスやサポートを頂いたり、お客様や仕入れ先を紹介してくださったりと、とても良くしてくれています。私はそんな皆様とつながりを持てたことを、本当に感謝しています。

また、家族の理解も重要なポイントだと思います。私の場合、妻は私の独立に対して驚きはすれどすぐに理解を示してくれました。納得しているのかは分かりませんが(笑)、私の「やってみたら何とかなるだろう」という性格を熟知しているからか反対はありませんでした。息子はあまり深いことまで考えていなかったのかもしれませんが、家族一緒に過ごす時間が増えることを喜んでいるようでした。

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宮土氏が監督を務める少年野球チーム「雷サンダース」

私は、東京都江戸川区葛西の少年野球チーム「雷サンダース(いかづちさんだーす)」の監督を務めさせていただいております。雷サンダースは葛西地区の旧町名「雷町(いかづちちょう)」が由来のチームで、今年で創部40周年を迎える歴史ある少年野球チームです。小学1年生の息子がチームに入部したことがきっかけでコーチとしてチームに携わるようになり、息子が小学5年生になる年から監督を務めています。

私は大の野球好きで、中学・高校・大学と野球部に所属していました。社会人になってからも草野球チームに参加するなど、野球とつながりのある生活を送っていました。しかし、幼少期の息子は野球ではなくサッカーに興味を持っているようでした。幼稚園ではサッカークラブに入り、よく一緒にサッカーボールを蹴り合っていたことを覚えています。

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コーチと選手・父親と息子として雷サンダースに入部することに

ところが息子が小学校1年生の春、思いもよらない出来事が起きました。私が休日に出かけて家に帰ると、妻から「息子と一緒に雷サンダースの体験入部に行ってきて、その場で入部を決めてきた」と言われたのです。息子は野球に興味を示していた吉兆もなく、私自身も特に野球を勧めていたわけではなかったので、妻の言葉を聞いたときは本当に驚きました。これがきっかけで私は息子と同じタイミングで雷サンダースに入部し、息子は選手として、私はコーチとしてチームにお世話になることになったのです。

息子には自分が経験していたからといって野球を勧めていたわけでもなく、どのスポーツを選んでもサポートしようと思っていたのですが、やはり野球を始めてくれたことは嬉しかったですね。月並みですが、「息子とのキャッチボール」というものは感慨深いものです。