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世界に通用する「最高のサービス」を追い求めて

2015年10月12日
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「最高のサービス」を追い求め、海を渡った男がいる。シンガポールでレストラン経営に携わる青木高義だ。外資系ホテルでサービスに従事し、国内最高峰のフレンチレストランでサービスの責任者メートル・ドテルを務めた青木氏が、自らの職を辞し海を渡った原動力に迫った。

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シンガポールでレストラン経営に携わる青木高義氏

私は現在、シンガポールの飲食店経営企業でレストランのマネジメントに携わっています。仕事内容はレストランの売り上げや予算の管理、仕入先業者の選定、従業員の雇用・トレーニング、店舗のプロモーションと多岐に渡ります。「店舗としていかにして利益を出していくのか」という課題に対し、様々な角度から幅広い解決策を実施していく仕事です。

シンガポールに来て1年半ほどになりますが、私はシンガポールに来るまでレストランのマネジメントに携わったことはありませんでした。それまで私は、飲食業の中でもマネジメントとは異なる分野、サービスの仕事に従事していたのです。

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実家がホテルを営んでいたことから、サービスに興味を持つように

私の実家は、静岡県で小さなホテルを営んでおります。私は学生時代から、よく実家ホテルの仕事を手伝っていました。宴会場のセッティングや、ビュッフェの差し替えといった仕事です。ホテルでの仕事に親しみがあった私は、大学に進学すると実家を離れ東京都内のホテルでアルバイトをするようになりました。そして大学を卒業した私は外資系ホテルに就職し、サービスの仕事に携わるようになったのです。

私がサービスの道に進んだ理由は、純粋に「お客様に最高のサービスを提供したい」という想いを抱いていたからです。毎日お客様と話をしていて、「ありがとう」をいう言葉をかけていただける。その「ありがとう」が積み重なるうちに、私は「もっと良いサービスを提供したい」「もっとお客様に笑顔になっていただきたい」と思うようになりました。これは利益や自分の夢とは関係なく、単純に一個人としての「人を幸せにしたい」という感情から生まれたものです。

私はずっと飲食業の中で生活してきました。「自分が飲食業の中で人を幸せにできることは何だろう?」そうしたことを考えるうちに、「最高のサービスを提供して、お客様から一番良い『ありがとう』をいただくことが、私にできる人を幸せにすることではないか」と考えるようになりました。この想いが、私がこの先サービスを突き詰めていく原動力になったのです。

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外資系ホテルに就職し、サービスのキャリアをスタートさせる

大学を卒業した私は、外資系ホテル「グランドハイアット東京」に入社しました。ちょうど私が大学を卒業した年の春に開業した新しいホテルで、六本木ヒルズの開業に合わせてオープンしたホテルです。オープニングスタッフとして入社した私は、希望していたホテル内のフレンチレストランに配属されました。そして私は、そのレストランのウェイターからサービスのキャリアをスタートさせることになったのです。

フレンチの世界はサービスの質が非常に細かく、その様式・技術がしっかりと確立されています。私はそんなフレンチのサービススキルを磨くことで、最高のサービスに近づくことができるのではないかと考えたのです。

グランドハイアット東京に勤務して2年程すると、東京で外資系ホテルの進出ラッシュが沸き起こりました。リッツカールトン、ペニンシュラ、マンダリン・オリエンタルといった外資系ホテルグループが、続々と東京にホテルを建造し始めたのです。

それに伴い、職場の上司や先輩たちは次々に新しいホテルへと移っていきました。私も新しいホテルで一緒に働かないかという話をいただいたのですが、時を同じくして父から連絡が入りました。実家のホテル経営が厳しくなってきているので、経営再建を手伝ってほしいとのことでした。

新しいホテルに移るか、実家に戻るか、それとも今のホテルに残るのか。悩んだ末に私は、実家ホテルの経営再建に協力することを決意しました。